小さい人

「かわいいねぇ~。あら?はずかちぃの?」

猫なで声で話しかけてくるおばさん。

おばさんから隠れる子ども。

よくある光景だが、私はこの場面に遭遇すると、愛想の悪い子どもよりもおばさんの方が気に障って仕方がない。

人は、声色を使い分けることによってコミュニケーションをスムーズにしようと心がける。

比較的高い声で電話対応をするのは、相手に明るい印象を与えて不信感を抱かせないため。

反対に、声を低くするのは、自分の不満や怒りを相手に悟らせるため。

では、猫なで声は何なのだろう。

猫なで声も、声を高くするという点では相手に不信感を抱かせないためのテクニックといえよう。

しかし、「猫なで」という言葉を冠しているわけだから、基本的には動物に対して用いる声音なわけである。

子どもはたしかに言葉は上手でないし、理解も浅い。

しかし、必要以上に猫なで声をつかって話しかけてくるおばさんに対して、ふと反発のような気持ちが浮かび上がるのではないか?

僕は犬や猫とは違う、おばさんと同じ人なんだぞ。